キッチンや裏庭に面した勝手口は、玄関に比べて人目につきにくく、家の中でも見落としがちな場所です。「鍵は閉めているはずだけど、それだけで十分なのか不安」「裏手にあるからこそ、何か対策をしておきたい」と感じている方も多いのではないでしょうか。
勝手口は玄関よりも人通りから離れていることが多く、侵入されても気づかれにくい環境になりがちです。だからといって難しい工事や高額な設備が必要というわけではなく、今ある鍵を見直したり、簡単な器具をひとつ足したりするだけでも、侵入されにくい状態に近づけることができます。
この記事では、勝手口が狙われやすいとされる理由と、今日からでも取り入れやすい防犯対策、そして不審な様子に気づいたときの相談先について、順を追って紹介します。
- 勝手口が空き巣に狙われやすいとされる理由
- 施錠の見直しなど今すぐできる基本の対策
- 補助錠・防犯フィルムなど取り入れやすい防犯グッズ
- 不審な様子に気づいたときの110番と#9110の使い分け
勝手口が狙われやすい理由と見直したいポイント

勝手口が空き巣に狙われやすいとされる理由
勝手口は道路や隣家からの視線が届きにくい位置に設置されていることが多く、作業をしていても人目につきにくい場所になりがちです。玄関に比べて鍵がひとつだけ(ワンロック)のケースも見られ、防犯性の見直しが後回しになりやすい場所ともいえます。ゴミ置き場や物置が近くにあり、足場や目隠しになってしまっている住宅も少なくありません。
施錠の見直し(無締まり)を習慣にする
「少しの間だから」とゴミ出しや荷物の受け取りの際に鍵を掛けないままにしてしまうことが、結果的に侵入のきっかけになるケースがあります。外出時だけでなく在宅中も勝手口を施錠する習慣をつけることが、まず取り組みやすい対策です。鍵のかけ忘れに気づきやすいよう、勝手口の近くに「施錠確認」のメモやチェック表を貼っておくのも一つの方法です。
死角になりやすい場所の対策
勝手口周辺に背の高い植木やフェンス、物置などがあると、外からは見えにくい死角ができてしまいます。足場になりそうな物を勝手口の近くに置かないようにし、見通しを確保しておくことが望ましいとされています。剪定や配置換えが難しい場合は、後述するセンサーライトなどで死角を補う方法もあります。
侵入に時間がかかる環境をつくる考え方
防犯対策の基本的な考え方のひとつに、「侵入に時間がかかるほど、犯行をあきらめる可能性が高まる」というものがあります。1つの対策だけで安心と考えるのではなく、鍵・窓・照明など複数の対策を組み合わせることで、侵入に時間と手間がかかる状態に近づけることができます。次の見出しでは、具体的にどんな対策から取り入れやすいかを紹介します。
(参考:政府広報オンライン「空き巣や強盗から命と財産を守る『住まいの防犯対策』」)
勝手口の防犯対策|取り入れやすい方法と選び方

補助錠でツーロックにする
勝手口の鍵がひとつだけの場合、補助錠を追加して鍵を2つにする「ツーロック」にすることで、施錠の手間は増えますが、侵入に時間がかかる状態をつくりやすくなります。工事が不要な後付けタイプの補助錠も多く、賃貸住宅でも取り入れやすい対策のひとつです。サムターン式の鍵であれば、サムターン回し対策の器具を併用する方法もあります。
Amazonなどで購入できます。最新価格や仕様はリンク先でご確認ください。
窓ガラスに防犯フィルムを貼る
勝手口にガラス窓が付いている場合、ガラスを割って鍵に手を伸ばす侵入方法への備えとして、防犯性能を示すCPマーク付きの防犯フィルムを貼る方法があります。フィルムを貼ってもガラス自体の強度が大きく変わるわけではありませんが、割れても崩れ落ちにくくなり、貫通に時間がかかる状態をつくれるとされています。賃貸の場合は退去時の原状回復についても管理会社に事前に確認しておくと安心です。
センサーライト・防犯カメラを組み合わせる
勝手口周辺は暗くなりがちな場所でもあるため、人感センサー付きのライトを設置し、近づいた際に点灯する状態をつくっておくと、周囲から見えやすい状態にすることができます。防犯カメラやダミーカメラを併用する住宅もありますが、ダミーカメラは抑止につながる可能性はあるものの録画機能はない点に留意してください。
賃貸・持ち家で対策を始める前の確認点
賃貸住宅の場合、勝手口のドアや窓に穴を開けるタイプの補助錠や、ガラスへのフィルム施工が可能かどうかは契約内容や物件によって異なります。工事や加工が必要な対策を検討する前に、まず管理会社や大家に確認しておくとトラブルを避けやすくなります。持ち家であっても、複数の対策を一度に揃えるのではなく、優先度の高いものから順に取り入れていく形で問題ありません。
勝手口の鍵はひとつだけで大丈夫?
鍵がひとつ(ワンロック)でも直ちに危険というわけではありませんが、補助錠を足してツーロックにすることで、侵入に時間がかかる状態をつくりやすくなります。取り入れやすい対策のひとつとして検討してみてください。
補助錠だけで安心できる?
補助錠は有効な対策のひとつですが、それだけで万全というわけではありません。防犯フィルムやセンサーライトなど、複数の対策を組み合わせることで、より侵入されにくい環境に近づけることができます。
不審な様子に気づいたときはどこに連絡すればいい?
今まさに何者かが敷地に侵入しようとしている、ドアや窓に触れているなど緊急性が高い場合は110番に連絡してください。一方、「同じ人物が家の周りを何度か歩いているのが気になる」「不安は残るが緊急ではない」といった場合は、警察相談専用電話の#9110、または最寄りの警察署に相談する方法があります。
- 110番:侵入されている最中、犯人が近くにいる、身の危険があるなど緊急性が高いとき
- #9110/最寄りの警察署:緊急性は低いが相談したい、記録を残しておきたいとき
防犯フィルムはどこに貼ればいい?
勝手口のドアや、その近くにある窓のガラス面全体に貼るのが基本です。鍵の周辺だけに貼るタイプの製品もありますが、ガラス全体に貼るタイプのほうがより広い範囲をカバーできます。製品ごとの施工方法を確認しながら進めてください。
ホームセキュリティの導入も検討したい方は、こちらの比較記事も参考にしてください。

まとめ
勝手口は人目につきにくいからこそ、施錠の習慣づけや補助錠の追加など、できることから少しずつ取り入れていくことが大切です。今日紹介した対策は、どれも一度にすべて揃える必要はありません。まずは施錠の見直しなど、取り入れやすいものから始めてみてください。
不安なことがあれば一人で抱え込まず、家族と対策を話し合ったり、必要に応じて警察の相談窓口を利用したりすることも検討してみてください。少しずつ備えを重ねることで、落ち着いて日常を過ごせる環境に近づけていくことができます。


