賃貸物件に住んでいると、「防犯対策をしたいけれど、壁に穴をあけたり鍵を勝手に交換したりできない」と感じることが多いのではないでしょうか。持ち家と違って原状回復の義務があるため、防犯グッズを選ぶときも「賃貸でも使えるかどうか」を先に確認する必要があります。
実際には、工事や穴あけをしなくても取り付けられる補助錠や防犯フィルム、電池式のセンサーライトなど、賃貸でも今日から始められる対策は数多くあります。特別な工具や大掛かりな作業がなくても、侵入されにくい環境を作ることは十分可能です。
この記事では、賃貸物件でも取り入れやすい玄関・窓の防犯対策と、引っ越し前後や日常生活の中で気をつけたいポイントを、契約上の注意点も含めて整理しました。無理なく続けられる対策から確認していきましょう。
- 工事不要で賃貸でも取り付けられる防犯グッズの種類
- 玄関・窓それぞれの狙われやすいポイントと対策
- 入居時・退去時に確認しておきたい鍵まわりの注意点
- 不審者を見かけたときの110番と#9110の使い分け
賃貸でもできる玄関・窓の防犯対策

(参考: 警察庁「住まいる防犯110番」)によると、住宅への侵入は無締りの箇所や窓ガラスを割っての侵入が多いとされています。まずは玄関と窓という、侵入経路になりやすい場所から対策を見ていきましょう。
補助錠を後付けする(工事不要タイプ)
玄関ドアや窓のサッシに、ドリルでの穴あけをせずに取り付けられる補助錠があります。鍵が二重になることで、侵入に時間がかかると犯行をためらわせる材料になるとされています。粘着タイプやはめ込みタイプなど、退去時に取り外しやすい製品を選ぶと賃貸でも扱いやすくなります。
賃貸の場合は退去時の原状回復が前提になるため、粘着面や取り付け金具が扉・サッシを傷つけないタイプかどうかも購入前に確認しておくと安心です。Amazonなどで購入できます。最新の仕様や価格はリンク先でご確認ください。
窓ガラスに防犯フィルムを貼る
窓ガラスを割っての侵入は、住宅への侵入経路のなかでも多いとされる手口のひとつです。防犯フィルムを貼るとガラスが割れにくくなり、破るのに時間がかかることで侵入をあきらめさせる要素になるとされています。原状回復が気になる場合は、剥がしやすいタイプや透明度の高いCPマーク付き製品を選ぶとよいでしょう。
センサーライトで人の気配を知らせる
玄関先やベランダに近づいた人を感知して点灯するセンサーライトは、コンセント不要のソーラー式・電池式であれば工事なしで設置できます。突然明るくなることで「見られている」と感じさせ、侵入をためらわせる材料のひとつになるとされています。ベランダが共用部に面している場合は、管理規約で設置できる範囲を事前に確認しておきましょう。
音で知らせる防犯ブザー・アラームを使う
窓やドアに取り付ける小型のアラームは、開けた瞬間に大きな音を鳴らして侵入者を威嚇し、周囲に異変を知らせる役割があります。取り付けにネジ止めが不要な粘着タイプなら、賃貸でも気軽に試しやすい対策のひとつです。補助錠や防犯フィルムと組み合わせることで、対策の層を増やせます。
引っ越し前後と日常でできる防犯対策

グッズによる対策と合わせて、入居前の確認や日常の習慣を見直すことも、侵入されにくい環境づくりにつながります。契約や費用に関わる部分は、思い込みで判断せず管理会社・大家に確認する姿勢が大切です。
入居前に鍵の状態と交換履歴を確認する
前の入居者が使っていた鍵がそのまま引き継がれていないか、内見や契約時に確認しておきましょう。国土交通省の原状回復ガイドラインでは、通常の入居者入れ替えに伴う鍵交換は貸主負担とすることが妥当とされていますが、実際の負担は契約内容によって異なるため、まずは契約書の記載を確認することが大切です。
郵便受け・宅配ボックスの管理を徹底する
郵便受けに不在票や大量のチラシが溜まっていると、留守が続いていることが外から分かってしまいます。旅行などで長く家を空ける場合は、郵便物を一時的にまとめて保管してもらう手続きを利用する方法もあります。宅配物は置き配バッグや宅配ボックスを使うことで、玄関先に長時間放置される時間を減らせます。
SNSや在宅状況の発信に注意する
旅行中の投稿をリアルタイムで発信したり、位置情報付きの写真を公開したりすると、留守であることが第三者に伝わる可能性があります。投稿は帰宅後にまとめて公開する、位置情報をオフにするなど、生活パターンが特定されにくい発信の仕方を意識すると安心です。
鍵の紛失・トラブル時は管理会社にすぐ連絡する
鍵を紛失した、鍵穴の調子がおかしいといったトラブルに気づいたら、自己判断で放置せず早めに管理会社・大家へ連絡しましょう。費用負担は契約内容や状況によって異なるため、まず相談することが第一歩になります。緊急性が高い場合の連絡先は、次の章で確認しておきましょう。
- 110番:今まさに誰かが敷地や部屋に侵入しようとしている、ドアや窓に触れられている、身の危険を感じるなど、緊急性が高い場合
- #9110(警察相談専用電話):不審な人を見かけて記録だけ残したい、緊急ではないが警察に相談したいなど、すぐの対応を要しない場合
同じ人物を複数回見かけた程度であれば、まずは日時や特徴を記録したうえで#9110(政府広報オンライン「警察に相談 #9110」参照)に相談し、敷地内への侵入やのぞきなど明確な迷惑行為が確認できた場合は110番、という使い分けを覚えておくと落ち着いて行動しやすくなります。
ホームセキュリティの導入も検討したい方は、こちらの比較記事も参考にしてください。

よくある質問
賃貸でも補助錠は自由に取り付けていい?
物件によって、原状回復に関するルールや設備の変更に関する取り決めが異なります。穴あけ不要・粘着タイプであっても、契約書の特約に「無断での設備変更禁止」などの記載がある場合があるため、迷ったときは事前に管理会社・大家へひとこと確認しておくと安心です。
鍵を紛失した場合、費用は誰が負担する?
入居者側の紛失・過失による鍵交換の場合は、入居者負担になるケースが一般的とされています。一方で、通常の入居者入れ替えに伴う交換は貸主負担とする考え方が国のガイドラインで示されています。いずれも最終的な負担は契約内容によって異なるため、まずは管理会社に確認しましょう。
不審者を見かけたら110番と#9110、どちらに連絡すればいい?
今まさに侵入されようとしている、身の危険を感じるといった緊急性が高い状況では110番を利用してください。記録として残したい、緊急ではないが相談したいという場合は#9110が窓口になります。判断に迷う場合も、ためらわずに連絡して問題ありません。
一人暮らしの女性が特に気をつけたいことは?
洗濯物や郵便受けから性別が推測されないよう工夫すること、SNSでの在宅・不在情報の発信を控えることに加え、玄関先での在宅確認(インターホン越しの応対)を徹底することも有効とされています。防犯ブザーを携帯し、不安があれば早めに#9110へ相談する習慣を持つと安心です。
まとめ
賃貸物件でも、工事不要の補助錠や防犯フィルム、センサーライトなどを組み合わせることで、侵入されにくい環境を作ることができます。ひとつの対策に頼るのではなく、複数の対策を重ねることが、犯行をためらわせる材料を増やすことにつながります。
鍵のトラブルや設備変更で迷ったときは、自己判断せずにまず管理会社・大家へ相談すること、そして不審な状況に気づいたら110番と#9110を使い分けて連絡することを覚えておきましょう。できることから少しずつ取り入れて、安心して暮らせる住まいづくりを進めていきましょう。


